古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

ここにもあった巨人伝説!見島へ、ひとまたぎ。

向津具半島の巨人伝説

日本中にある巨人伝説。有名なのは「だいだらぼっち」ですが」向津具半島にもこれに似た伝説があります。ただし、この地では巨人と書いて「おおひと」と読みます。場所は川尻岬の近く、地元ではこの付近を、おおひとと呼んでいます。地図上ではわかりやすく、巨人の足跡石と表記されています。

 おおひとの伝説は?

昔この地に巨人がいて、ある時ここから杖をついて、ひとまたぎで見島(萩市)へ渡ったと言われています。その足跡と杖の跡が、当地では巨石の上に残り、見島では八町八反八畝八歩の水田になったという伝説です  

f:id:cocoyatourism:20210602200003j:plain

三個の大岩がありますが、足跡は奥の岩に残っています。

おおひとの足跡が残った岩

 大きい赤丸で示したのが足跡と思われる窪み。50cmほどの長さがあります。ふたつの小さい赤丸が杖の跡になると思われます。

f:id:cocoyatourism:20210603113747p:plain

赤丸で示した所の他にも窪みは見られます。

足跡石付近、おおひと地区の風景です。近くに民家はなく、ひっそりとした印象です。林の向こうに日本海が見えます。

f:id:cocoyatourism:20210603112738j:plain

送電線のすぐ下が水平線です。

見島までは37㎞もある

先の写真に見える林を抜けると、北の方角はるか沖合に、見島が望めます。ここまでひとまたぎと言いますが、距離にして37km。巨人の足跡の大きさから考えて、かなり無理のあるような話に思えます。でも、そこは言い伝え。おとぎの世界の物語、と考えれば親しみも湧いてくるのではないでしょうか。

f:id:cocoyatourism:20210603112800j:plain

見島は肉眼で見ても、はるか沖合にあります。

向津具は小さな半島ですが、古代から人が住んでいた歴史があります。それだけに伝説も数多く残っていますので、今後も折に触れて、お伝えしたいと思います。