向津具半島にただひとつ、日本海を望む川尻漁港。
向津具半島には四つの漁港がありますが、久原、久津、大浦の三漁港が油谷湾内にあるのに対して、この川尻漁港は日本海に面した位置にあります。
まずは現在の、防波堤が完備された漁港の航空写真をご覧ください。防波堤が南北に伸びて、日本海の荒波を防ぐように造られています。今回は漁港の今昔を映像でご紹介します。
漁港背後の山が北風を防ぐ
現在の漁港南側からの眺めです。ハワイのダイヤモンドヘッドを思わせる山が北側にあるため、真冬の北風はかなり防ぐことができます。
昭和30年(1955年)頃の漁港の写真です。防波堤は小規模なものであることがわかります。また背後の山は山頂まで畑が作られていました。自給自足の生活が想像できます。
昭和60年(1965年)防波堤が築かれ、漁港が整備された時の竣工祝賀式の写真です。この時は県知事も出席されたそうで、地域を挙げての祝典であったことがわかります。前列に並ぶのは小学生の鼓笛隊、これだけ多くの小学生がいたのですから漁港には活気が満ちあふれていたはずです。
現在の漁港の姿は?
昭和60年に完成した漁港と防波堤の現在の姿。先の写真と比べると、よく整備されたことがわかります。ただ山頂付近まで耕されていた畑はすべて山林になってしまいました。
防波堤の高さは約5m。油谷湾内の漁港の防波堤が3m程度であることと比べると、やはり日本海の荒波を防ぐためには大規模なものになりますね。
漁港入り口には灯台があり、波消し用のテトラポッドも並べられています。
次回からは漁港の規模や歴史について紹介します。