古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

漁場は日本海!その気質は豪快にして一本気、大浦の漁業者たち。

大浦漁港の位置は?

地図で見る通り大浦漁港は向津具半島の入り口(油谷中学校跡)から、県道357線を西へ約4km車で走ったところにあります。漁港そのものは油谷湾内に位置してはいますが、漁場は外海である日本海が中心です。湾内では海女による漁も行われます。

漁港の規模について

この漁港の最大の特徴は海女漁が盛んなことでしょう。海女(あま)とは素潜り漁を行う女性のこと。ただしこの地では数は多くありませんが、男性も素潜り漁に従事しています。このため男女を併せて「あま士」と呼んでいます。漁協に登録された組合員の総数は138人(この中にはあま士も含まれます)。漁船の総数は88隻。このうち海女漁を行う船は26隻となっています。日本海の荒波の中で漁をする男性、近海で素潜り漁をする女性、ともに生命の危険と隣り合わせの職業です。経験を活かした直感により、迅速な行動が求められます。豪快な性格のひとが多いのも、古い時代から代々、受け継がれてきた気質なのでしょう。漁法については次回に、海女についてはまた別の機会に取り上げます。

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5t以上の漁船が多い船溜まり

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漁港の風景

丘を超えれば日本海

大浦漁港を東側の高台から眺めると、右手に日本海、左手に油谷湾が見えます。この二つの海を隔てる陸地はいちばん狭いところで、わずか100mほど。漁港から少し歩けばそこは日本海という距離です。漁場は主に日本海ですが、湾内での漁も行われますし、冬場の日本海から吹き付ける強烈な北風や、波浪を防ぐには湾内に漁港を置くのがやはり最良の選択でしょう。

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漁港遠景。右手奥が日本海です。

 陸地のいちばん細い部分を西側から見た写真です。右手が油谷湾、左手が日本海です。丘が途切れて平地になったこの地点には家屋はありません。この日は日本海も凪で穏やかな海面ですが、真冬の北風の時期には撮影地点にいると、吹き飛ばされそうなほどの強風にあおられます。

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ここからでは漁港と民家は小高い丘の陰に隠れて見えません。

次回は大浦漁港の規模などについて、詳しく紹介したいと思います。