古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

昭和初期、画期的な農機具が発明された!

それは、足踏み式縄ない機。

大正時代末期(1925年頃)まで、農家ではわら縄を、自分自身の手作業で作っていました。縄をなう、と簡単に言いますが、芯になる稲わらにヨリをかけながら、縄をなう作業は熟練を要するもので、そのうえ均一な製品を素早く作るのは大きな労力を必要とします。そこへ大正時代末期、両足を踏み続け、わら縄を差し込む作業を連続していれば、均一な縄が出来上がる機械が発明されました。農家の労働を軽減する道具として、全国に行き渡り、昭和30年代(1960年頃)まで使われましたが、プラスチック製ロープの普及とともに、姿を消して行きました。

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この機械は戦前に造られたものだと思われます。

縄ない機の操作手順は?

まず手元に稲わらを用意して、常に両手ともに、ラッパ状のガイドに供給できる体勢を作ります。

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両手のわらは、交互にガイドレールに差し込みます。

連続的に稲わらを、供給できるように、この写真にある稲わらを、取りやすいように手元に置きます。

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稲わらは、見本的に起きました。現実には大量の稲わらを必要とします。

左右の ラッパ状のガイドに稲わらを2~3本ずつ、わらの株元から、交互に差し込んでいきます。

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片方ずつ交互に、2~3本の稲わらを差し込んでいきます。

二つの細長いペダルを交互に踏み込むと、これが動力になって、機械を回転させます。

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ペダルは細長い木製です。

この回転力が、わら縄によりを掛け、同時に縄をなって行きます。 

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赤い矢印の方向に回転します。

なわれた縄は、最後にドラムに巻き取られます。このドラムは取り外しが簡単にできるので、各人の好みの大きさによって切り取れば、わら縄のコイルの出来上がりです。

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わら縄はまだ巻き始めです。

わら縄は結構強度があり、大人が両手で引っ張っても、簡単には切れません。 

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この縄で60kgの米俵をくくりつけていました。それほどの強度はありそうです。

大正時代末期まで、農業はほとんど人力で行われていました。そこから現代まで、日本の農業は発展して来ました。今やハイテク農業の時代です。歴史を振り返ると、先人たちの努力が、現代農業に結実していると言っていいと思います。