古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

その松の大木は、一夜にして姿を変えた。

向津具半島にある一夜松伝説 向津具半島には神社が三つあります。向津具八幡宮、日吉神社、そして亀山神社です。おもしろいのは八幡宮と亀山神社が一本の道路上にあり、500mの距離を置いて向かい合って鎮座していることです。今回の話題、「一夜松伝説」は…

雨の日は草刈りができない!

今週のお題「雨の日の過ごし方」 片田舎に住む独居老人です。梅雨入り後は畑やあぜ道の雑草がグングン伸びていきます。晴れた日に草刈りをしても、一週間もすればほとんど元の木阿弥状態。雨の日は農機具の手入れや、あばら家の補修、などを行います。作業中…

川尻漁港の捕鯨の歴史は江戸時代、元禄11年に始まる。

魚種はマッコウクジラ。 向津具半島で唯一、日本海に面した川尻漁港。この漁港の最大の特徴は、捕鯨がおこなわれていたこと。その歴史は古く江戸時代、元禄11年(1699年)に始まり、明治42年(1910年)まで続けられたと記録書にあります。また捕獲されたのは…

時機到来!夏の風物詩のひとつ、川尻漁港のイカ釣り漁。

夏場の魚種は剣先イカ 向津具半島の日本海側に位置する川尻漁港。これから夏にむかって始まったイカの一本釣り。漁場は漁港に近い日本海。この漁港には10隻の一本釣り漁を行う漁船があります。夏場は剣先イカ、冬場はブリの一本釣りを行ないます。漁船の規模…

向津具半島にただひとつ、日本海を望む川尻漁港。

向津具半島には四つの漁港がありますが、久原、久津、大浦の三漁港が油谷湾内にあるのに対して、この川尻漁港は日本海に面した位置にあります。 まずは現在の、防波堤が完備された漁港の航空写真をご覧ください。防波堤が南北に伸びて、日本海の荒波を防ぐよ…

エンコ伝説は、口裂け女の噂話のように広がった。

油谷角山 (かどやま)に伝わるエンコ伝説 向津具半島を含む、長門市油谷にはいくつものエンコ伝説があります。話の内容はほとんどが、地元にいるエンコを地元民がやっつけるものです。ご当地で起こった事件という設定が、以前はやった「口裂け女の噂」にそ…

少し不気味だけど、おかしさもある、向津具半島の「エンコ」伝説

「エンコ」って何? 中国、四国地方には古くから猿猴(えんこう)と呼ばれる妖怪の伝説がありました。この妖怪の呼び名が、向津具地方ではえんこうから「エンコ」に変わって民話として残りました。名は変わっても、その内容は他の地域と、まったくと言ってい…

向津具半島沖合の手長島。松の木が植えられていた。

植林の歴史は江戸時代に遡る。 向津具半島の入口付近の沖合1kmにある手長島。車で走ると海上にポツリと浮かんでいる感じに見えるので、油谷湾のアクセントになっています。この島は江戸時代から松の木が植えられていたとの記録があったそうです。正確なこ…

久原漁港にある小島。なぜ女郎島と呼ばれたか?

女郎島にはふたつの伝説が 向津具半島の入り口から2km、この地にある久原漁港の今から60数年前の貴重な写真です。 久原漁港の詳細に関しては以下の記事を読んでくださいね。 cocoyatourism.hatenablog.com 漁港入り口にあるのが、女郎島。現在の姿と比べる…

俵島。その美しさは見飽きることがない。

向津具半島入り口から12km。そこには絶景が広がる。 向津具半島の最西端にある俵島。前回の記事と同じ写真をもう一度掲載します。俵を積み上げたような形ををしていることから、この名前が付きました。右側に広がるのが日本海。島の後ろが油谷湾の入り口で…

向津具半島の端っこで、島と呼ばれるけど島じゃない!油谷島地区

大浦漁港の先は油谷島地区 向津具半島の端っこはさらに半島が連なった形になっています。この地域は昔から「油谷島」と呼ばれ本州と陸続きで、島ではないのにこの名前がついています。車で半島内を一周しても8kmの広さしかありませんが、ちゃんとした地域…

漁業者の信仰心の篤さを物語る、八幡宮への奉納品

向津具八幡宮は300年以上の歴史を持つ 向津具(むかつく)半島には、大浦漁港にも劣らない長い歴史を持つ八幡宮があります。それを証明する資料は残念ながら消失してしまいましたが、300年以上の歴史を持つことは確かなようです。八幡宮は、五穀豊穣を祈願す…

その歴史は長く、なんと900年!大浦の海女漁。

言い伝えによれば平安時代には存在していた 前回の記事では、海女漁は西暦1096年から本格的に取り組まれたように書きました。その後、文治元年(1185年)には壇の浦の合戦で入水された、安徳天皇のご遺体捜索を命ぜられて、活躍したとの言い伝えもあるようで…

漁法は多種多様。独自の手法に生きる漁業者たち。

大浦漁港の漁業者の数は? 漁業者及び船舶数を一覧表にしました。まずはご覧ください。 山口県漁協大浦支店の協力を得て作成した表 沖建網漁船、はえ縄漁船について 沖建網漁とは、一般的に言う刺し網を漁船が牽引して行なう漁法です。またはえ縄漁は漁船が…

漁場は日本海!その気質は豪快にして一本気、大浦の漁業者たち。

大浦漁港の位置は? 地図で見る通り大浦漁港は向津具半島の入り口(油谷中学校跡)から、県道357線を西へ約4km車で走ったところにあります。漁港そのものは油谷湾内に位置してはいますが、漁場は外海である日本海が中心です。湾内では海女による漁も行われ…

漁港入り口にて太公望の心を和ませる小島。その名も江の島。

海水面から目を上げれば目の前に江の島が! 向津具半島の入江にある久津漁港。そのおだやかなたたずまいに惹かれて、釣り人がよく訪れます。週末には数十人になることも。今回は漁港入り口にある江の島の映像をお届けします。あの有名な湘南海岸にある江の島…

漁港の景観にアクセントをつける3スポット。人工物あり、自然美あり。

漁港の歴史を偲ばせる造船所跡 久津漁港の西の端に残る造船所跡。 昔から日本の漁船は木造でした。漁船製造は専ら船大工(ふなだいく)と呼ばれる職人の手作業によって行われていました。規模の大きい漁港には大抵造船所があり、地域には不可欠な産業だった…