古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

漁港の景観にアクセントをつける3スポット。人工物あり、自然美あり。

漁港の歴史を偲ばせる造船所跡

久津漁港の西の端に残る造船所跡。 昔から日本の漁船は木造でした。漁船製造は専ら船大工(ふなだいく)と呼ばれる職人の手作業によって行われていました。規模の大きい漁港には大抵造船所があり、地域には不可欠な産業だったわけです。しかしながら1960年代に開発されたFRP(繊維強化プラスチック)造船が普及し始めると、木造船は次第に減少し現在ではほとんど姿を見かけなくなりました。この造船所も廃業してかなりの年月を経過していることがわかります。

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水中まで伸びているのは漁船の進水用あるいは修理時の引上げ用に使われた、ガイドレール

漁港入り口に建立された神社

久津漁港入り口には規模は小さいながら立派な神社が建立されています。出漁中の安全祈願そして大漁を願って造られたもの。この神社も漁港の歴史を感じさせる建造物です。しめ縄も定期的に新調され、境内も常時清掃されて、地元民の信仰心の厚さを感じさせる景観になっています。

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港入り口の神社。バス停留所になっています。

漁港の入り口に小島が!この風景も個性的。

漁港から500mの沖合にある小島。江の島と呼ばれています。全国に知られた名所と同じ名前を持っていますが、南北に数十メートルしかない本当の小島です。ただ漁港の景観をより個性的に見せてくれる価値ある存在です。

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残念ながらこの島はカラスの大群のねぐらになっています。

 おだやかな風景画を思わせる久津漁港。この光景がいつまでも残りますように。