古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

過疎の進む地で、奮闘する漁業者たち。海に生きることへの誇りあり。

漁業者は減少したといえども、それぞれの漁法を専業にして生きる人々。

向津具半島でただひとつ、入江に存在する 久津(くず)漁港。

 

久津漁港の詳細に関してはこちら

 

ここで漁業を本業とする家は現在7軒。稼働中の船は8隻。(漁船の大きさは数十トン。漁法により、大きさが違います。)また副業や趣味で小舟(船外機付き)で漁をする人は5~6人います。いちばん多かった時期には60人とも70人とも言われたほどの漁業者数は、現在ここまで減少しました。また地域の総人口も、200人近くであったものが、今では80人を切るほどに減少しました。戦後の日本の経済成長による若者の都市部への人口流出が原因ですが、このままでは漁港の存続が危ぶまれます。しかしながら現在も漁業を行っている人々は、それぞれに信念を持ち独立した事業を営んでいます。漁法も多彩で、棒受け網によるイワシ漁、底引き網によるエビ、カレイ、カニ漁、一本釣りによるブリ、タイ漁など、各自それぞれに得意とする手法があります。また釣り船を営んで、お客さんに釣りを楽しんでもらうことを専業にしている人もいます。

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夕方になり、帰港する漁船。

一本釣り漁業者の帰港

写真は一本釣り専業者が帰港し、奥さんの手助けを得て水揚げに掛かろうとしている所。好天気に恵まれてまずまずの成果だったようです。

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水揚げの準備をする50代夫婦。当地ではもっとも若い世代に入ります。

 釣り客専業の漁業者も活躍中。

釣り客を漁場に案内し、釣りを楽しんでもらった後、漁港まで送る遊漁船を営む漁業者もいます。ただお客を案内するだけの仕事に思われがちですが、まず顧客の安全を考えまた魚の多くいるポイントに案内しなければならない、そしていかにお客さんに満足してもらうかがいちばんのサービス、と大きな責任を伴う仕事です。肉体だけでなく精神的にも、そして情報収集もしなければいけないハードな仕事です。

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釣り客が釣果を陸揚げしている様子。

自然が作り出した良港であるだけに、漁港としての末永い存続を期待したいものです。次回はこの地にある、漁業とはまた別のスポットを紹介します。