古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

漁業者の信仰心の篤さを物語る、八幡宮への奉納品

向津具八幡宮は300年以上の歴史を持つ

向津具(むかつく)半島には、大浦漁港にも劣らない長い歴史を持つ八幡宮があります。それを証明する資料は残念ながら消失してしまいましたが、300年以上の歴史を持つことは確かなようです。八幡宮は、五穀豊穣を祈願する農業の守り神であるのが一般的ですが、この神社は漁業者の守護神でもあり地域別に見ると、大浦漁港の氏子(うじこ)数が一番多く220戸以上あります。社内には漁業者の奉納品が供えられており、出漁中の安全そして大漁を願って、祈願をする漁業者の信仰心の篤さがわかります。現在も年中行事の一つとして行われています。神社は大浦漁港から1kmほど北の、丘のほぼ頂きにあり、厳かな雰囲気を漂わせています。

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向津具八幡宮正面

貴重な古写真,木造の大型船。

神社内に飾られた、昭和13年(1938年)に進水した大型漁船の貴重な写真です。奉寄進と書かれていることから、安全祈願のため御奉納したものと思われます。当時これだけ大型の木造船が造れたとは、日本の技術には感心しますね。

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甲板に25人の男性が乗っているのがわかるほどの、大型船です。

神社内に飾られた写真をもう一枚。大漁旗を満艦飾にはためかせながら進む、漁船の写真です。乗組員の誇らしげな姿が見えます。

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昭和46年進水と書かれていることから、FRP船だと思われます。掲納とは廃船のことを指します。

こちらは漁港はずれの丘の上に設置された、六地蔵の写真です。やはりこの地域の人々の信仰心の厚さを感じさせる風景ですね。

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新しい花が備えられ、きちんと整理整頓されています。

今回まで大浦漁港の記事を掲載しましたが、次回はこの地よりさらに西側の油谷島地区を取り上げます。