古狐は最果てに居り候

日本の山口県長門市油谷にある向津具産直市「ここや」です。向津具と書いて「むかつく」と読みます。この地は本州の西北端にあり、美しい自然と古代からの伝説が溢れる見どころ満載の場所です。「ここや」は地元の農産物や海産物を販売しながら、向津具の観光案内も行っています。

向津具半島の入り口。こんなところに、麻羅観音が!

地元の人でも高齢者だけが知っている、ほとんど無名の摩羅観音。

山口県長門市油谷後畑上小田(お食事処「草々」から北へ800mの地点)。県道66号線と県道356号線の分岐点。そこから南西に徒歩で200m下った海岸に、マラ観音がひっそりと鎮座しています。ここの地名は赤崎と言います。地元でも50代以下の人はほとんど知りません。

上小田の分岐点です。向津具半島側から撮影しました。地図とは反対方向になります。

f:id:cocoyatourism:20211124111933j:plain

右手がマラ観音への入り口です。

海岸までの通路は、何箇所も雑草に覆われています。マラ観音までたどりつくには、それなりの装備がいります。

f:id:cocoyatourism:20211130190958j:plain

通路の地盤はしっかりしています。

分岐点から徒歩で200m下ると、砂浜にたどり着きます。写真中央に見える岩場の奥にマラ観音はあります。

f:id:cocoyatourism:20211130191324j:plain

左手に久原漁港が見えます。その奥は油谷島です。

たどり着きました。マラ観音です。

f:id:cocoyatourism:20211130191738j:plain

土台と囲いは、しっかりと造られています。

観音様は三体あります。いずれもこの海岸にあった自然石を、地元の人たちが祀ったものと思われます。

f:id:cocoyatourism:20211124112011j:plain

三体とも自然石です。

マラ観音付近の磯には、写真のように丸くなった石が多く見られます。荒波にもまれてこすれあった石が研磨されたのでしょう。その中から形の良いものを選び出して観音様として、祀ったと思われます。

f:id:cocoyatourism:20211130192057j:plain

まさに自然の造形の妙ですね。

観音様付近から、今来た道を振り返って見ました。ほんの小さな浜辺です。でもそれだけに不思議な魅力があり、パワースポットと言っていい場所です。

f:id:cocoyatourism:20211130192547j:plain

浜辺の長さは200m足らずです。

この浜辺には廃船らしきものが一艘ありました。県道からの通路も、藪におおわれ始めており、もはや誰も管理していないようです。せっかくのパワースポットです。少しでも維持管理をしてほしいものです。

f:id:cocoyatourism:20211130192939j:plain

FRP船のようです。

この場所も、向津具半島五輪塔と同じく自然の中にうずもれようとしています。これをなんとかくい止め、後世に伝えていきたいものです。